2016年10月10日月曜日

「ヴェニスに死す」 トーマス・マン・作



「ヴェニスに死す」・・・これは、本当にマウスキーを悩ませた話の一つだ。
この物語と出会ったのは、ルキノ・ヴィスコンティの映画「ヴェニスに死す」を観た時からだから、中学2年ぐらいの時だっただろうか・・・。
映画の内容が欠片も分からなかったという、不思議な映画だった。
でも、映像はとても綺麗だったのだけれど・・・なんというか、笑えないんだけど、笑うべきなのか、それとも、何か隠された哲学があるのか・・・本当に色々と考えさせられた。

あらすじは、アッシェンバッハという初老の小説家(映画では作曲家)が、リフレッシュするためにヴェニスに旅行に行く。そのホテル先で出会った美少年タッジオ君に一目惚れしてしまい、毎日ストーキング行為を繰り返し、最後は流行していたコレラにかかって死んでしまう。

そんな感じだ。

わざわざ小説にするようなものがあるのだろうか・・・・。

本気でマウスキーには分からなかった。

でも、分からないというのがどうしても癪なので、原作を読めばきっと理解できるはずだと思い立った。

そこで原作を読んだのだが、正直、今でも理解及ばない。

トーマス・マンがアッシェンバッハと似たような経験があって、彼の奥さんに「恥ずかしいから本気でやめて欲しい」と思われていたという逸話を知っても、特に何といって理解できないのだ。

ただ、原作を読んだ事で、映画のシーンを理解する事が出来たのは確かである。

まぁ、様々な考察をすると、人生全てに対して嫌になっていたアッシェンバッハが、美少年観察する事を唯一の心のオアシスとして、もう死んでもいいと思って死んでしまったという、老後に対しての虚しさや、老い朽ちるという儚さなど、そういうものが込められていたのだろうか・・・

ごめんなさい。

本気で分からないんです。

だから、「魔の山」も結局読む勇気がなくて、読んでません。はい。

けれど、それが故にこの一冊はマウスキーにとっての貴重な本となっている。
物凄く頑張ったのに、結局よく分からなかった本という残念さによって。

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